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株価収益率:PER(株式業務:その2)


今日は「株式業務」の第2回です。試験によく出る株価収益率(PER)を紹介します。 

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。

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この単元のYouTube動画を作りました。ご覧ください。(若干の生活音や息継ぎ音が入ることがあります。音量を調節してみてください。)

(よろしければ、こちらからチャンネル登録お願いします)

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上の動画のポイントをまとめます。


1 利益

利益とは、売上と費用の差額です。売上からどの費目を差し引くかによって、いくつかの利益があります。

売上総利益:売上ー売上原価
営業利益 :売上総利益ー販管費
経常利益 :営業利益+営業外利益
当期純利益:経常利益+特別利益ー法人税など

売上から仕入代金など売上原価を引いたものが売上総利益です。売上総利益から人件費など販管費を引いたものが営業利益です。営業利益から投資収益と利払いなどの差額である営業外利益を調整したものが経常利益です。経常利益から特別利益を調整し、法人税などを納めた後に残る利益が当期純利益です。

売上から多様な利害関係者に支払いをした後、最後に残る利益が当期純利益です。これが株主に帰属する利益になります。株主の立場で見るべき会社の利益は、当期純利益です。


2 1株利益(EPS)

原則として、株主に帰属する当期純利益は、その会社がすでに発行した株式に均等に分け与えられます。均等に切ったケーキが、みんなに分け与えられる感じ(🎂→🍰)です。

ケーキがいくら大きくても、たくさんの人で分けるのであれば、1人の取り分はとても薄くなってしまいます。同じように、利益が多くても、株数もとても多ければ、1株に配分される利益は少なくなります。したがって、投資家は1株当たりの当期純利益を気にします。

1株当たり当期純利益のことを、英語でEPS(Earnings Per Share)といいます。


1株当たり当期純利益の厳密な定義については、会計基準に関する次の資料を参照してください。
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/touki_1.pdf


3 株価収益率(PER)

株価と収益(EPS)の比率を株価収益率といいます。英語でPER(Price Ernings Ratio)といいます。


PERは「株価は利益の何年分か」を表します。PER=10なら10年分の利益が、PER=50なら50年分の利益が株価に織り込まれていると解釈します。

投資者は今後10年くらいを見通して投資するかもしれませんが、さすがに50年先を見通して投資することは難しいです。よって、PERが高すぎるとき「株価は高すぎる」と判定します。反対に、PERが低すぎるとき「株価は低すぎる」と判定します。

下のリンク先からここ7, 8年のPERをみると、だいたい10-20倍のレンジ内を推移しています。「10-20年先の利益が株価に織り込まれている」状態が1つの目安になっているようです。
https://nikkei225jp.com/data/per.php

PERは業種によって異なります。おなじ業種の会社を比べるときに使いましょう。

動画では計算問題を紹介しています。本番の対策として、パソコンの電卓を使って解いてみてください。

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このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。