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株価キャッシュフロー倍率:PCFR(株式業務:その4)


今日は「株式業務」の第4回です。試験によく出る株価キャッシュフロー倍率(PCFR)を紹介します。 

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。

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この単元のYouTube動画を作りました。ご覧ください。(若干の生活音や息継ぎ音が入ることがあります。音量を調節してみてください。)

(よろしければ、こちらからチャンネル登録お願いします)

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上の動画のポイントをまとめます。


1 営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローとは、営業活動によって生じるお金の増減のことです。決算書のうち、キャッシュフロー計算書という書類に書かれています。

営業活動によって得られた利益は現預金を増やします。したがって、当期純利益は営業キャッシュフローの重要な要素です。しかし、当期純利益を計算するとき差し引く費用のうち、実際には会社の現預金が減らない費用も差し引かれています。それを調整する必要があります。

買掛金、人件費、法人税などのうち期末までに支払いを終えていないものは、利益を計算するとき費用として差し引かれますが、現預金を減らしません。

また、工場の建設などにかかった費用を、会計上繰り延べ払いにすることがあります。たとえば、まとめて払った30億円の工場建設費用を、30年度にわたって1億円ずつ費用計上することがあります。現預金の支払いがない年度に、1億円ずつ払ったことにするこの費用を減価償却費といいます。

外務員の試験では、減価償却のみを考慮し、営業キャッシュフローを次のように定義しています。

営業キャッシュフロー=当期純利益+減価償却費

(外務員試験では、営業キャッシュフローの厳密な定義は求められていないようです。)


2 1株営業キャッシュフロー(CFPS)

株主に帰属する営業キャシュフローは、その会社がすでに発行した株式に均等に分け与えられます。前々回の1株利益(EPS)と同じように、均等に切ったケーキが、みんなに分け与えられる感じ(🎂→🍰)です。

ケーキがいくら大きくても、たくさんの人で分けるのであれば、1人の取り分はとても薄くなってしまいます。同じように、営業キャッシュフローが多くても、株数もとても多ければ、1株に配分されるキャッシュフローは少なくなります。したがって、投資家は1株当たりのキャッシュフローを気にします。

1株当たり営業キャッシュフローのことを、英語でCFPS(Cash-Flow Per Share)といいます。



3 株価キャッシュフロー倍率(PCFR)

株価と1株当たり営業キャッシュフロー(CFPS)の比率を株価キャッシュフロー倍率といいます。英語でPCFR(Price Cash-Flow Ratio)といいます。


PCFRは「株価は営業キャッシュフローの何倍か」を表します。式は前々回学んだ株価収益率(PER)とよく似ています。


違いは、分母の要素に減価償却費があるかないかです。過年度に積極的に設備投資してきた会社は減価償却費が多い傾向にあります。減価償却費が多いと、分母の値が大きくなり、分数の値(倍率)は小さくなります。よって、PCFRはPERと比べて、設備投資に積極的な会社を割安に評価する指標ということになります。

動画の終わりに、太陽誘電という会社を取り上げました。この会社は積極的に設備投資してきた企業です。下のロイターのページから、2018年3月期の値を取ると

PER:13.0倍
PCFR:5.1倍
https://jp.reuters.com/investing/stocks/detail/6976.T

PERとPCFRの値が大きく異なることがわかります。太陽誘電の決算書からキャッシュフロー計算書をみると

当期純利益:197億円
減価償却費:256億円

当期純利益と減価償却費の和であるPCFRの分母は、当期純利益だけであるPERの分母の倍以上の値になることがわかります。それで、PCFRの値が小さくなっています。

設備投資の積極性を買い材料にしたい投資家にとっては、PERよりPCFRの方がよい指標になります。

動画では計算問題を紹介しています。本番の対策として、パソコンの電卓を使って解いてみてください。

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このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。