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投資者保護、規制(証券市場の基礎知識:その2)


第2回の今日は、投資者を保護する制度や機関を紹介します。

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。


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1 投資者保護

株式や債券に投資する人を投資者といいます。日常用語では投資家といいますが、資格試験では投資者といいます。

今日の日本では、私たちのような証券の専門家ではない人も投資をしています。非専門投資家が多い市場では、それらの人を守るための制度や機関を整える必要があります。

ただし、「投資者を守る」と言っても、損失を補てんすることは一切できません。投資元本価格を保証することもできません。投資者保護とは、不公正な取引をしないように、あるいは巻き込まれないように、ルールを整備することを意味します。

メルカリでもそうですよね… メルカリの運営に「1万円で転売できると思ったのに、5,000円でしか売れないじゃないか」といっても取り合ってもらえません。それと同じことだと考えてください。

もう1つ、証券会社が破綻したときのために投資者保護基金というものがあります。補償限度額は1,000万円です。ただし、私たち投資者の証券は、証券会社の財産とは別に管理されていますので、証券会社が破綻して、私たちの財産が減ってしまうことはまずありません。したがって、この基金が使われることも想定しにくいです。

日本投資者保護基金:http://jipf.or.jp/introduction/index.html

銀行の破綻に備える預金保険という制度があります。預金の場合には、破綻の影響を強く受けます。元本の一部が返ってこないこともあります。その意味では、たくさん財産を持っている人は、預金より証券のほうが安心なのかもしれません…

保険預金機構:https://www.dic.go.jp/


2 規制

証券の規制には自主規制と公的規制があります。自主規制とは、証券業界自らが業界をよいものにすべく規制することです。公的規制とは、国による規制です。規制機関として以下のものがあります。

自主規制機関:各取引所、日本証券業協会、投資信託協会
公的規制機関:証券取引等監視委員会

日本証券業協会:http://www.jsda.or.jp/
証券取引等監視委員会:https://www.fsa.go.jp/sesc/


証券取引等監視委員会は、インサイダー取引や損失補てんなどの違法行為に対して、強制調査権を持ちます。

このような規制が投資者を保護するので、私たちは安心して証券に投資することができます。

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これくらいずつで大丈夫です。焦らず、コツコツ頑張りましょう!

このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。