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その他のトピックス(債券業務:その6)


今日は「債券業務」の第6回です。この分野でよく出題されるこまごまとした用語などを紹介します。堅苦しい言葉が多くなりますが、試験の問題文もこのような言葉で書かれています。少しずつ慣れていきましょう。

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。この単元には動画がありません。

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1 債券の取引

債券投資には、いくつか特徴的な取引があります。そのうち、外務員試験によく出る手法を紹介します。

入替売買とは、不利になりそうな銘柄を売り、有利になりそうな銘柄を買って、保有する債券を入れ替えることです。たとえば、金利が上がりそうなとき長期債から短期債へ入れ替え、金利が下がりそうなとき短期債から長期債へ入れ替えます。

金利上昇:長期債を売り、短期債を買う
金利低下:短期債を売り、長期債を買う

この入替売買は、金利が変動するとき、長期債(償還日までの期間が長い債券)の値動きは、短期債(償還日までの期間が短い債券)の値動きより大きくなる性質を利用しています。

金利が上がるとき、長期債は短期債より大きく値下がりします。値下がりによる損失を小さくするために、投資者は長期債を短期債へ入れ替えます。金利が下がるとき、長期債は短期債より大きく値上がりします。値上がりによる利益を大きくするために、投資者は短期債を長期債へ入れ替えます。

現先取引とは、未来に売り戻す(買い戻す)ことを取り決めて買う(売る)取引です。一時的に同じ銘柄・同じ数量の債券を買う(売る)取引です。

現先:未来に買い戻すことを取り決めて今売る
現先:未来に売り戻すことを取り決めて今買う

現先取引の詳細は、次のリンク先資料を参照してください。
http://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/chousa/kenkyukai/index.html

着地取引とは、約定日から1か月以上、6か月を超えない期間に債券の受け渡しをする取引のことです。少し先にまとまった資金を得る予定の大口投資家が、価格変動のリスクを避けるために、あらかじめ価格を決めて売買します。近年は、金利先物でリスクをヘッジすることができますので、あまり使われなくなりました。着地取引の詳細は、次のリンク先資料を参照してください。
http://www.jsda.or.jp/about/jishukisei/words/0118.html

ベーシス取引とは、債券の現物先物の価格差(ベーシス)から利益を得る取引のことです。ベーシスを式で表すと

ベーシス=現物価格ー先物価格×コンバージョンファクター

コンバージョンファクターの内容については外務員試験で問われませんので、式を暗記するだけで構いません。

現物と先物の価格差であるベーシスは、波のように広がったり狭まったりすると考えられています。ベーシスが広がっているとき、現物と先物のうち割高なものを売り、割安なものを買います。やがてベーシスが狭まると、売っていたものを買い戻し、買っていたものを売り戻して、利益が得られます。

ベーシス取引は難しいです。不慣れな人は「債券取引の問題で先物という言葉が出たらベーシス取引」と覚えておくだけで良いかもしれません。


2 債券ポートフォリオ

複数の証券に投資することをポートフォリオといいます。複数の債券に投資することを債券ポートフォリオといいます。債券ポートフォリオの運用のしかたにラダー型、ダンベル型があります。

ラダー型とは、償還日までの期間が短い社債から長い社債まで均等に保有するポートフォリオです。毎年同じ額の社債が償還され、それをまた長期債へ投資します。はしごを一段ずつ入れ替えるように見えるのでラダー型といいます。

ダンベル型とは利率が高い傾向にある長期債と、売買がしやすい短期債のみを保有するポートフォリオです。長期債と短期債の両端に投資が集中するさまが筋トレに使うダンベルに見えるので、ダンベル型といいます。


3 国債

これまで会社が発行する債券(社債)を例に説明してきました。債券は社債の他にもあります。外務員試験によく出るのは国債の分類です。

建設国債、特例国債、借換国債

発行の根拠となる法律によって、建設国債、特例国債、借換国債という分類があります。建設国債は、財政法4条1項但し書きを根拠として発行する国債です。財政法4条1項に

国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない

とあります。したがって、国債を発行しないことが財政運営の原則です。この条文には続きがあります。

但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる

このように、本文に続いて「但し」ではじまる文を但し書きといいます。この部分を根拠に、公共事業などのために発行する国債を建設国債といいます。

特例国債とは、建設国債を発行しても財源が足りないとき、それを補うために発行する国債です。財政法は国債を発行しないことを原則としていますので、特例国債を恒久的に認めてはいません。それで、1年度あるいは数年度の国債発行を特例として認める法律を特別に作ります。その法律にもとづいて発行する国債を特例国債といいます。平成31年度予算の特例国債は

東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法

という、とても長い名前の法律にもとづいて発行されています。この法律によって、平成34年度まで特例国債が発行できます。

借換国債とは、国債整理基金特別会計が、特別会計に関する法律46条にもとづいて発行する国債です。国債には60年で完済するというルールがあるのですが、投資者には60年国債ではなく10年国債などを保有したいというニーズがあります。このニーズに応えるべく、60年にわたり10年国債を6回乗り換えて、少しずつ国債を償還しています。この乗り換えのために発行する国債を借換国債といいます。

国庫短期証券、中期国債、長期国債

最終償還日までの期間によって、国債を分類することもあります。短期の資金繰りのために発行される期間1年以内の国債を国庫短期証券といいます。国庫短期証券は個人投資家も買えます。期間2年または5年の国債を中期国債、期間10年の国債を長期国債といいます。

そのほか期間20年、30年、40年の超長期国債、期間10年で償還される金額が物価と連動して変わる物価連動国債、期間15年で利子が変動する変動利付国債があります。

個人向け国債

債券の利回りの単元で説明しましたが、売却のタイミングが悪いと、債券投資のキャピタルゲインはマイナスになります。損することを極端に嫌う個人でも買いやすくするために設計された国債を個人向け国債といいます。

この国債には値動きがありませんので、キャピタルゲインがマイナスになることはありません。その代わり、利率は基準金利より低くなります。「もらえる利子が少し減っても、値下がりの損を避けたい」個人投資家が投資しています。

個人向け国債は、1万円を1口に毎月発行されています。細かい商品性については、次のリンク先資料を参照してください。
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/


4 その他の債券

ここまでで、3,000字を超えてしまいました。長文、申し訳ないです…

その他の債券について手短に触れます。

地方債とは、地方公共団体が悪行する債券です。このうち全国型市場公募地方債は、すべての政令指定都市一部の都道府県が発行します。政府関係機関債のうち政府保証債は、元利払いを政府が保証します。

外債のうち、外務員試験によく出るのは、サムライ債、ショーグン債、ユーロ円債です。サムライ債は、外国の発行体が国内で発行する円建て債券です。ショーグン債は、外国の発行体が国内で発行する外貨建て債券です。ユーロ円債は、国外の円市場(ユーロ円市場)で発行される円建ての債券です。まとめると

サムライ債 :国内発行の円建て
ショーグン債:国内発行の外貨建て
ユーロ円債 :国外発行の円建て

この単元はとても細かいです。ただ、債券業務は配点が高い分野でもあります。前半の山場として、答えられる問題をできるだけ増やしていきましょう。

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このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。





社債の発行と売買(債券業務:その5)


今日は「債券業務」の第5回です。社債の発行と売買について説明します。

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。この単元には動画がありません。

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1 利付債と割引債

これまで、利子が付く債券を例に説明してきました。利子が付く債券を利付債といいます。

利子が付かない債券もあります。利子が付かない債券に投資する投資者がいるのは、額面金額より安く発行されるためです。たとえば、額面金額100万円の債券が98万円で発行されれば、2万円のもうけが得られます。額面金額より安く発行されることから、利子が付かない債券を割引債といいます。


2 発行条件

債券の額面金額は1億円、100万円などさまざまですが、評価するときには100円に標準化します。発行するときの価格が100円を超えるとき、オーバーパー発行といいます。ちょうど100円であるとき、パー発行といいます。100円を下回るとき、アンダーパー発行といいます。

発行価格が
100円超  → オーバーパー発行
100円   → パー発行
100円未満 → アンダーパー発行

多くの人にとっては、「パーって何?」という感じだと思いますが、ゴルフ⛳️🏌️‍♂️というスポーツを知っている人は聞いたことがある用語だと思います。ゴルフの用語を債券の評価に流用しています。

ゴルフは、小さなボールをホールに入れるスポーツです。ちょうど規定回数でボールをホールに入れるとパーになります。規定回数を超えてしまうとオーバーパーになります。規定回数未満で上がるとアンダーパーになります。


3 発行

債券を発行するとき、多額の資金を本当に集められるか不安があります。その不安を和らげるために、債券をまとめて買い受ける人を引受人といいます。引受人はまとめて購入した債券を小口に分けて投資者へ販売します。

債券の発行者 → 引受人 → 投資者

まとめ買いをする引受人は、債券が売れ残ったり、安値で売らざるを得なくなるリスクにさらされます。リスクを分散するため、大型案件は1人で引き受けず、グループで引き受けます。このグループを引受シンジケート団(引受シ団)といいます。シンジケートとは、複数の引受人が共同で販売するしくみです。引受シ団になれる会社は、発行者によって異なります。

社債等:証券会社だけ
地方債、政府保証債:証券会社、銀行

社債が発行された後、利子の支払いが滞りなく行われるように管理する人を置きます。これを社債管理者といいます。近年は個人投資家向けに発行される社債が増えてきていますので、投資者保護の観点から、社債管理者の役割は重要になってきています。銀行や信託銀行が社債管理者になります。

社債の額面金額(各社債の金額)が1億円以上であるときには、社債管理者を置く必要がありません。額面1億円の社債に投資できるのは巨額の資金を運用するプロだと考えられるからです。


4 経過利子

債券を実際に売買するとき、経過利子というものを考慮しなければなりません。経過利子とは、買い手が売り手に払う利払い日の間の利子です。

少し話が込み入りますので、下の図表で説明します。利払い日の間に債券の受け渡し(売買契約の決済)が行われるとしましょう。受渡日まで保有していた売り手は「ここまで保有してきたのだから、少なくとも次の利払日に払われる利子の一部は自分のものだ」と主張します。買い手は、これに応じて、次の利払日に受け取る利子の一部を売り手に払います。


売り手のわがままにみえますが、売り手の主張を聞き入れないと、売り手は利払いを受けた直後にしか債券を売らなくなってしまいます。経過利子は、売り手がいつでも債券を売ってくれる環境を整えるためのしくみです。


5 経過利子の例 

数値例で経過利子を理解しましょう。3月25日と9月25日の年2回利払いをする社債を、5月24日に受け渡すときの経過利子を考えます。受け渡すのは額面100万円、利率2%の社債を1口だとします。

まず経過日数を求めましょうる。経過日数とは、直前の利払日の翌日から受渡日までの日数です。直前の利払日の翌日は3月26日です。3月は31日までありますので、3月で6日あります。4月は30日あります。5月は24日が受渡日です。それぞれの月の保有日数は次のようになります。

3月:6日
4月:30日
5月:24日

経過日数はこれらの和、6+30+24=60日です。経過利子は、年間の利子の額に経過日数の係数を掛けたものです。具体的には


分数の分母にある365は商慣行で定められています。うるう年も365で割ります。年間の利子は額面金額と利率の積で求められます。

額面100万円×2%=2万円

経過日数は60日ですので


3,287円くらいになります。売買約定代金の他に、この金額を買い手から売り手に払います。経過利子を含まない債券の値段を裸値段、経過利子を含む債券の値段を利含みといいます。

実際に売買するときには、経過利子の他にも、税金や手数料を考慮しなければなりません。

経過利子については、次のリンク先資料を参照してください。
https://www.dir.co.jp/report/research/law-research/tax/20130821_007583.pdf
http://www.jsda.or.jp/about/jishukisei/web-handbook/106_saiken/files/c004.pdf

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このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。





社債と転換社債の値動き(債券業務:その4)


今日は「債券業務」の第4回です。これまで学んできた社債と転換社債の値動きについて説明します。

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。この単元には動画がありません。

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1 社債

発行した後に金利が変動すると、社債の価格は変わります。金利が上がると、社債の利子の魅力は下がりますので価格は下がります。金利が下がると、社債の利子の魅力は高まりますので価格は上がります。

利率2%で社債を発行した後、金利が3%に上がれば、社債で運用するより、銀行に預けた方がより多くの利子を得られます。それで社債の魅力が下がり、価格が下がります。

外務員試験では、金利が変動する要因として金利商品の価格、金融政策、会社の信用力、景気が問われます。

金利に関係する金融商品にはコール、手形、CP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金)などがあります。これらの金利が上がると、社債の利子の魅力は下がりますので価格は下がります。これらの金利が下がると、社債の利子の魅力は高まりますので価格は上がります。

金融商品の金利上昇 → 社債価格下落
金融商品の金利低下 → 社債価格上昇

金融引締政策とは、日本銀行が金利を上げる政策です。金利が上がりますので、社債の価格は下がります。金融緩和政策とは、日本銀行が金利を下げる政策です。金利が下がりますので、社債の価格は上がります。

金融引締政策 → 社債価格下落
金融緩和政策 → 社債価格上昇

社債を発行した会社の経営がおかしくなると、社債の利払いが滞ったり額面の返済ができなくなったりします。そのような怖れがどれくらいあるのかを表すのがクレジットスプレッドです。クレジットとは、会社の評判のことです。スプレッドとは評判のランクのことです。会社の評判が悪くなると、クレジットスプレッドが拡大し、社債の価格は下がります。会社の評判が良いとき、クレジットスプレッドが縮小し、社債の価格は上がります。

評判悪化 → スプレッド拡大 → 社債価格下落
評判好転 → スプレッド縮小 → 社債価格上昇

景気が良いとき、お金を借りたい人や企業が増えます。お金の需要が高まりますから、お金の値段とも言える金利は上がります。また、景気が良いときにはインフレになりがちです。インフレは金利に上乗せされると考えられていますので、金利は上がります。景気が悪いときはこの逆になります。

好景気:借り手が多い、インフレ → 金利上昇 → 社債価格下落
不景気:借り手が少ない、デフレ → 金利低下 → 社債価格上昇

社債の価格は、金利と逆に動くことを覚えておきましょう。


2 転換社債

転換社債型新株予約権付社債は普通の社債より複雑なしくみを持ちます。したがって、価格が動く要因も増えます。外務員試験では、上で説明した金利要因の他に、株価と株価のボラティリティが問われます。

転換社債は、社債から株式へ乗り換えることができる社債です。したがって、株価が下がれば転換社債の魅力が下がり、価格は下がります。株価が上がれば転換社債の魅力が高まり、価格は上がります。

株価下落 → 転換社債価格下落
株価上昇 → 転換社債価格上昇

ボラティリティとは株価の変動率のことです。株価があまり動かないとき、乖離率がマイナスになるところまで株価が上がる可能性は低くなります。転換のオプション価値が低くなりますので価格は下がります。株価が大きく動くとき、乖離率がマイナスになるところまで株価が上がる可能性は高くなります。転換のオプション価値が高まりますので価格は上がります。

ボラティリティ低下 → 転換社債価格下落
ボラティリティ上昇 → 転換社債価格上昇

「オプション価値」については、外務員一種で問われます。外務員二種の段階ではこれくらいの知識で大丈夫です。

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転換社債の例題:パリティ価格と乖離率(債券業務:その3)


今日は「債券業務」の第3回です。前回に引き続いて転換社債のしくみを紹介します。 

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。

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この単元のYouTube動画を作りました。ご覧ください。(若干の生活音や息継ぎ音が入ることがあります。音量を調節してみてください。)

(よろしければ、こちらからチャンネル登録お願いします)

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上の動画のポイントをまとめます。


1 転換社債型新株予約権付社債

前回の復習からはじめましょう。転換社債型新株予約権付社債とは、株式をある値段(転換価額)で買う権利がついた社債です。名前がとても長いので、単に転換社債ということがあります。

転換社債型とは、株式を得るときに社債を手放すことを意味します。新株予約権付とは、株式を得る権利を意味します。それで、株式を得る権利を行使するとき社債を手放して株式を得るしくみになっている社債を転換社債型新株予約権付社債といいます。


今日は、転換のタイミングを探るための指標、パリティ価格と乖離率について学びます。


2 転換のタイミング

下の図表を用いて、転換のタイミングを考えましょう。水色の右上がりの曲線は、転換前の転換社債の価格を表します。赤色の右上がりの線は、転換後の価格(パリティ価格)を表します。


投資家は、水色の曲線と赤色の線を比べて、高い方を選びます。

青色の曲線>赤色の線:転換せず、社債のままで保有
青色の曲線<赤色の線:転換して、株式を保有

パリティ価格から、転換社債の価格がどれほど離れているのかを率で表したものを乖離率といいます。パリティ価格が基準になりますので、乖離率がプラスであるとき、社債のままで保有することが有利です。乖離率がマイナスであるとき、株式に転換することが有利になります。


3 パリティ価格と乖離率

パリティ価格と乖離率を求めてみましょう。パリティ価格とは、転換後の価格です。転換価額で時価がつく株式に乗り換えますので、パリティ価格は次の式から得られます。



転換価額(分母)と引き換えに、株式(分子)を得ます。最後に100をかけているのは、額面金額100円に基準化するためです。パリティ価格は転換して得られるものを表します。

乖離率は、パリティ価格を基準とした転換社債の価格を率で表したものです。「乗り換えないとき、何%得するか」を表します。


「乗り換えないとき、何%得するか」というのは、直線的ではない言い方ですが、このような立式になっていますので、しかたありません。乖離率がプラスであるとき、乗り換えないことが有利になります。乖離率がマイナスであるとき、乗り換えることが有利になります。

動画で紹介したLINEによる転換社債型新株予約権付社債の発行については、次のリンク先資料をご覧ください。
https://jp.reuters.com/article/line-bond-idJPKCN1LK0MT
https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/LINE_20180904_2.pdf

動画では計算問題を紹介しています。本番の対策として、パソコンの電卓を使って解いてみてください。

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転換社債のしくみ:アップ率、取得株数(債券業務:その2)


今日は「債券業務」の第2回です。転換社債のしくみを紹介します。 

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。

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この単元のYouTube動画を作りました。ご覧ください。(若干の生活音や息継ぎ音が入ることがあります。音量を調節してみてください。)

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上の動画のポイントをまとめます。


1 転換社債型新株予約権付社債

転換社債型新株予約権付社債とは、株式をある値段(転換価額)で買う権利がついた社債です。名前がとても長いので、このブログでは、単に転換社債と書くことがあります。

転換社債型とは、株式を得るときに社債を手放すことを意味します。新株予約権とは、株式を得る権利を意味します。株式を得る権利を行使するとき社債を手放して株式を得るしくみになっている社債を転換社債型新株予約権付社債といいます。


普通の社債ではなく、このような複雑なしくみの社債を用いるのは、投資者・発行者双方にメリットがあるためです。

投資者には、株が値上がりしたとき、社債を株に換えられるメリットがあります。発行者には、予約権の分だけ利子の支払いを減らせるメリットがあります。さらに、社債が株に転換されれば、額面金額を返済する必要もなくなります。手元に現預金を置いておきたい成長途上の会社にとって、この社債はとても便利です。



2 転換価額の設定

転換価額とは、社債を株式に転換するときの株価です。これは発行するときにあらかじめ定めます。転換価額は、株式の時価より少し高く設定します。

転換価額株の時価より低く設定してしまうと、取引所で株を買うより安く買えますので、投資者はすぐ社債を株に転換してしまいます。(社債として発行する意味がなくなってしまいます…)

たとえば、下の図のように、株の時価が1,200円であるとき、転換価額を1,500円に設定します。



3 アップ率

転換価額と株の時価の差を比率で表したものをアップ率といいます。


上の数値を例に計算すると


転換価額は、株の時価の25%増しで設定されています。


4 取得株数


転換価額で社債1口を株式に換えると、何株得られるのでしょうか。得られる株数は、転換社債の額面を転換価額で割って求めます。


たとえば、転換社債の額面が100万円、転換価額が1,500円であるとき、取得株数は


666株取得できます。端数の0.666…株は、現金で払うか、切り捨てます。現金で払うとき、1株1,500円ですので

1,500×0.666=1,000

発行者は投資者に1,000円を払うことになります。

転換社債は難しい単元ですので、今回はここまでとします。次回は転換のタイミングを測るパリティ価格や乖離率について紹介します。是非つづけてご覧ください。

動画では計算問題を紹介しています。本番の対策として、パソコンの電卓を使って解いてみてください。

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債券の利回り(債券業務:その1)


今日は「債券業務」の第1回です。債券の利回りを紹介します。 

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。

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この単元のYouTube動画を作りました。ご覧ください。(若干の生活音や息継ぎ音が入ることがあります。音量を調節してみてください。)

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上の動画のポイントをまとめます。


1 社債

発行者が投資者から資金を集めるために発行する証書のことを債券といいます。現在は完全にペーパーレス化されていますが、以前は卒業証書のような紙を発行して、投資者にそれを渡し、代わりにお金を受け取っていました。会社が発行する債券を社債といいます。

株式との違いは、満期(最終償還日)があることです。株式は出資を得るために発行しますので、ふつう返済する必要がありません債券は借りたお金を満期に返済する必要があります

株式:返済しない(債権者を保護するため)
社債:返済する(債権者から借りているため)

社債1口(ひとくち)あたり返済すべき金額を額面金額とか各社債の金額といいます。外務員試験では、額面金額を100円に標準化して計算します。満期までの期間、発行者は定期的に利子を払います。


年間の利子の額は、額面金額に利率を掛けて求めます。額面金額100円、利率2%であれば

年間の利子=100円×2%=2円

利率が2%であるとき、年間の利子は額面100円当たり2円になります。


2 社債の利回り

株式業務の分野でも学びましたが、利回りとは投資の効率のことです。社債のキャピタルゲインとインカムゲインはそれぞれ

キャピタルゲイン:社債の値上がり益
インカムゲイン:利子

です。購入価格をP0、売却価格をPT、利率をD%、保有期間をT年とすると、社債の利回りは


第1項は1年当たりのキャピタルゲインの投資効率を表します。1年当たりのキャピタルゲインですので、キャピタルゲイン(PTーP0)を保有期間Tで割ります。

第2項はインカムゲインの投資効率を表します。注意していただきたいのは、Dは%を除いた数字だという点です。たとえば、利率が2%なら、Dは2%(0.02)ではなく2になります。

正確には、Dは1年あたりの利子の額です。利率2%であれば、100円×2%=2円がDの値になります。外務員試験では、なぜだかこれを利率と表記します。

上の式の第2項(D÷P0)だけを直接利回りといいます。これもたまに試験に出ますので、一緒に覚えておきましょう。


3 利回りの種類

社債の利回りは、「いつからいつまで投資するか」によって呼び方が異なります。社債発行時に購入して満期まで保有するとき、応募者利回りといいます。社債発行後に購入して満期まで保有するとき、最終利回りといいます。満期前に売却するとき、所有期間利回りといいます。



どの利回りを計算するときも、上に掲げた「社債の利回り」の式を使います。問題集で多くの例題にあたって、計算に慣れておきましょう。


4 債券の単価

社債の利回りの式を変形すると、ある利回りを得るための購入単価を求める式が得られます。(株式業務の単元で学んだ採算株価と似たようなものです。)


これを社債の購入価格P0について解きます。分子にも分母にもP0があってややこしいので、まず両辺にP0を掛けます。

利回り×P0=(PTーP0)÷T+D

つづいて、両辺にTを掛けます。

利回り×P0×T=(PTーP0)+D×T

P0がある項を左辺にまとめます。

P0+利回り×P0×T=PT+D×T

両辺を(1+利回り×T)で割ります。


外務員試験では、「残存期間4年、利率2%の社債をいくらで買えば最終利回りが3%になるか」という形式の問題が出されます。最終利回りですから、PTは額面の100円、Tは4年、Dは2、利回りは3%ですから


計算結果は96.428…円になります。この金額で購入すれば、利回り3%を達成できます。

動画の終わりに紹介した社債の統計と銀行預金の金利については、次のリンク先資料を参照してください。
http://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/saiken_hakkou/youkou/ichiran.html
https://info.finance.yahoo.co.jp/interest/large/?region=0

動画では計算問題を紹介しています。本番の対策として、パソコンの電卓を使って解いてみてください。

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