今日は「投資信託及び投資法人に関する業務」の第3回です。投資信託のを紹介します。
試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。出題分野名は「投資信託及び投資法人に関する業務」が正式名称ですが、記事のタイトルに書くには長すぎるので「投資信託等に関する業務」と表記します。
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上の動画のポイントをまとめます。
1 運用目標
投資信託は、目標とする運用成果によって、パッシブ運用とアクティブ運用に分類されます。パッシブ運用は、ベンチマークに近い運用成果を目指します。ベンチマークとは、日経平均やTOPIXといった市場全体の値動きを表すインデックスのことです。日経平均連動型ETFやTOPIX連動型ETFに投資します。これらのETFを保有してじっと構える運用スタイルですので、パッシブ運用といいます。
アクティブ運用は、ベンチマークを超える運用成果を目指します。じっとETFを保有し続けるだけでは、ベンチマークを超えることができません。機動的に証券を売買する運用スタイルですので、アクティブ運用といいます。
2 アクティブ運用の分析手法
アクティブ運用で売買のタイミングを測る方法に、トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチがあります。トップダウン・アプローチは、マクロ経済を分析して、売買のタイミングを測ります。GDP、為替、物価、貿易、金融政策、財政政策の先行きを予測して、良くなりそうならリスク資産を買い増し、悪くなりそうならリスク資産を減らします。経済の全体的な状況を俯瞰することから、トップダウン・アプローチといいます。
ボトムアップ・アプローチは、個別企業を分析して、売買のタイミングを測ります。決算短信、有価証券報告書、中期経営計画、取締役の陣容などをみて、業績が良くなりそうなら買い、悪くなりそうなら売ります。投資候補を1つ1つ見定めることから、ボトムアップ・アプローチといいます。
3 ボトムアップ・アプローチの着目点
ボトムアップ・アプローチで投資候補の株を見定めるとき、グロースとバリューという2つの着目点があります。グロース株運用とは、これから成長しそうな株に投資することです。企業の成長性に注目するのですから、売上高成長率や経常利益成長率など、業績の伸びを表す指標をみて投資します。
バリュー株運用とは、割安な株に投資することです。理論上の株価と実際の株価の差に注目するのですから、株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)、株価キャッシュフロー倍率(PCFR)など、値ごろ感を表す指標をみて投資します。
グロース株運用は、企業の成長に乗せてもらうイメージ(トレンドフォロワー)です。バリュー株運用は、市場の評価が理論株価に近づいていくイメージ(逆張り投資家)です。
4 基準価額
基準価額とは、オープンエンド型の投資信託の純資産価額を口数で割って算出する「投資信託の値段」です。純資産価額とは、投資信託が保有している株や債券の時価の合計です。口数とは、投資信託の単位の数です。株であれば株数に当たります。基準価額は日々計算されます。基準価額が12,000円である投資信託を10口購入するとき
12,000円×10口=120,000円
12万円を払います。(その他、購入手数料もかかります。)
投資信託の分野は、「私ならどう投資するかな」をシミュレーションしながら学ぶと理解しやすいと思います。楽しみながら少しずつ進めましょう。
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このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。