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その他のトピックス(投資信託等に関する業務:その4)


今日は「投資信託及び投資法人に関する業務」の第4回です。その他のトピックスを紹介します。

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。出題分野名は「投資信託及び投資法人に関する業務」が正式名称ですが、記事のタイトルに書くには長すぎるので「投資信託等に関する業務」と表記します。この単元には動画がありません。

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1 特定資産

投資信託及び投資法人に関する法律は、特定資産に投資するしくみを投資信託と定義しています。特定資産は、投資信託及び投資法人に関する法律施行令3条に掲げられている12種類です。主なものを4つ挙げます。

1 有価証券
2 デリバティブ取引に係る権利
3 不動産
4 不動産の賃借権

投資信託及び投資法人に関する法律施行令については、次のリンクを参照してください。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=412CO0000000480


2 投資法人のしくみ

資金を特定資産で運用する社団法人を投資法人といいます。投資法人は資産運用以外の業務を営むことができません。また、投資法人は商号(法人の名前)に「投資法人」という語を付けなければなりません。

投資法人は、内閣総理大臣に届出をして、手続きにしたがい登記することで設立されます。設立時の出資総額は1億円以上でなければなりません。そして、設立後に業務を営むためには、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。(少し意地悪ですが、このようにややこしい届出、登記、登録がチェックポイントとなる問題が出るようです。)

投資法人が発行する証券を投資口といいます。私たち個人投資家は、それを購入する形で投資します。たとえば、不動産投資信託(J-REIT)の投資口に投資します。

投資口を保有する投資者を投資主といいます。投資主が投資法人の運営方針を決める場を投資主総会といいます。投資主総会では、投資法人を運営する役員を選任したりします。(株式会社の株主総会のようなものです。)

投資法人の役員は執行役員と監督役員からなります。執行役員1名以上が必要です。監督役員執行役員より1名以上多くなければいけません。監督役員は執行役員を兼務できません。

投資法人は、ある種形だけの法人です。資産の保管・運用やそれに伴う事務は外部委託することが義務付けられています。

下のリンク先にある大和ハウスリート投資法人では、資産の保管を三井住友信託銀行、資産の運用を大和ハウス・アセットマネジメント、一般事務を三井住友信託銀行と三菱UFJ銀行が担当しています。
https://www.daiwahouse-reit.co.jp/ja/about/overview.html


3 投資信託約款

委託者指図型投資信託は、委託者と受託者の契約にもとづく投資信託のしくみです。このしくみは約款(きまりごと)にしたがって運営されます。約款締結の前に、委託者は約款を内閣総理大臣に届け出る必要があります。

約款には、委託者と受託者の商号(会社の名前)、財産の運用法評価法、元本の償還や収益の分配のしかたなどを記します。

投資信託を購入しようとする投資者に対して、投資信託約款の内容を記した書面を交付しなければなりません。ただし、目論見書に約款の内容が記されているときは交付しなくてもよくなります。目論見書は、投資者の同意が得られれば、電子メールで送ることもできます。

このあたりの話は、実際に投信を購入してみないとわかりにくいと思います。購入しなくても、たとえば雑誌の投信特集などを眺めて馴染んでおくと、苦手意識が和らぐかもしれません。

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このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。