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投資信託の概要(投資信託等に関する業務:その1)


今日は「投資信託及び投資法人に関する業務」の第1回です。投資信託の概要を紹介します。

試験のキーワードになりそうな用語を赤色で示します。その他の色は、理解を助けるためにつけます。出題分野名は「投資信託及び投資法人に関する業務」が正式名称ですが、記事のタイトルに書くには長すぎるので「投資信託等に関する業務」と表記します。

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この単元のYouTube動画を作りました。ご覧ください。(若干の生活音や息継ぎ音が入ることがあります。音量を調節してみてください。)

(よろしければ、こちらからチャンネル登録お願いします)

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上の動画のポイントをまとめます。


1 投資信託のニーズ

前回、債券の単元で、ポートフォリオという用語を紹介しました。これは、1銘柄ではなく、複数の証券に投資することです。

複数の証券に投資するには、多額の資金が必要です。1銘柄100万円ずつ、10銘柄に投資するには1,000万円もの資金が必要です。私たち個人投資家でこれほどの投資資金を用意できる人は多くないと思います。

資金に乏しい私たちにも、「多くの銘柄に投資したい」というニーズがあります。それに応えるために作られたのが投資信託という金融商品です。

下の図表のように、投資者から資金を集め、それをまとめて様々な証券に投資します。カゴメやカシオのような国内企業の株式に投資することもできますし、Appleのような外国企業の株式に投資することもできます。債券に投資することもできます。


このように、小口投資家に大きなポートフォリオを提供するしくみを投資信託といいます。


2 投資信託の分類

投資信託のしくみは、会社型と契約型に大別されます。会社型投資信託は、資産運用をするためだけに設立された法人です。「〇〇投資法人」と、会社の名前に投資法人という言葉をつけなければなりません。

契約型投資信託とは、法人ではなく、委託者と受託者の2者の契約にもとづき運営される投資信託です。委託者指図型投資信託と委託者非指図型投資信託がありますが、外務員試験によく出るのは委託者指図型投資信託です。


3 委託者指図型投資信託

次の図表は委託者指図型投資信託の概要です。私たちは証券会社などで投資信託を購入します。私たちには図の左側のようすしか見えません。しかし、重要なのは図の右側です。


契約型投資信託は、委託者(〇〇アセットマネジメント)と受託者(〇〇信託銀行)の契約にもとづいて運用されます。販売会社、委託者、受託者はおなじ金融グループの会社であることが多いです。


4 委託者と受託者の仕事

委託者指図型投資信託では、委託者が受託者に運用の指図をします。〇〇アセットマネジメントは「あの株を買ってください」「この社債を買ってください」と指示をします。また、投資信託の運用方針を投資者へ伝える目論見書や、運用成績を投資者へ伝える運用報告書を作成します。加えて、投資信託の投資価値を表す基準価額を計算します。

難しい用語が多いですが、委託者は指図をしたり書類を作成する人なんだというイメージを持っていただければ大丈夫です。

受託者である〇〇信託銀行は、証券会社と〇〇アセットマネジメントを経由して集められた投資者の資金を預かります。金庫番のような役割を担っています。委託者の指示を受けて、預かった資金で証券の購入します。株式に投資しているのであれば、委託者の指図にもとづき、株主総会で議決権を行使します。加えて、基準価額を計算します。

こちらも難しい用語が多いですが、受託者は財産を預かり、指図を受けて行動する人なんだというイメージを持っていただければ大丈夫です。

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このブログでは、各科目の幹となる用語や計算問題を紹介します。細かい用語や最新の法令・規則については、テキストや問題集で確認をお願いします。