disable copy

外務員試験の出題範囲


金融資格を目指すみなさんは、忙しい日々を過ごしていると思います。できるだけ効率よく対策して、短期間に取得したいところです。

対策を立てるために、まず合格点、問題形式、出題範囲、予想配点を確認しましょう。

* * *

1 合格点

300点満点のうち、210点以上が合格となります。満点を取る必要はまったくありません。7割で良いということです。


2 問題形式

100点(2点×50問):○×問題
200点(10点×20問):5択問題

○×問題では、文章が正しいかどうかを選びます。5択問題では、5つの選択肢から複数選ぶことが多いです。5択問題は○×問題の5問分の重みがあります。5択問題が合否を決めると言っても過言ではありません。

5択問題がよく出る分野を重点的に攻めるべきです。5択問題の分野予想は、テキストや問題集に書いてあります。必ずチェックしましょう!


3 出題分野

法律科目・業務科目・関連科目の3科目からなります。さらに細かく分けると、14の分野があります。

・法律科目(4分野) 
金融商品取引法、金融商品の勧誘・販売に関係する法律、協会定款・諸規則、取引所定款・諸規則

・業務科目(4分野)
株式業務、債券業務、投資信託及び投資法人に関する業務、付随業務

・関連科目(6分野)
証券市場の基礎知識、株式会社法概論、経済・金融・財政の常識、財務諸表と企業分析、証券税制、セールス業務

いくつかテキストを見比べてみたのですが、出版社によって章立てが違ました。学びやすさを重視してのことだと思います。私たちも、学ぶ順序を工夫すべきです。


4 おすすめする学ぶ順序

とりかかりやすさと配点の高さを考慮して、このブログでは以下の順に学ぶことをお勧めします。計算問題が出る分野をまずおさえ、試験日近くに法律関係の分野を暗記するようにすると、試験日に「瞬間風速」を出しやいと思います。

* * *

1 証券市場の基礎知識(予想配点:10点)
予想配点は低いですが、出題範囲も狭いので、とりかかりとして最適です。覚える内容も常識の範囲内です。

2 株式業務(予想配点:30点)
本格的な学びの第1歩として、やはりここからはじめるべきでしょう。5択問題も複数出題されるようですので、得点源になります。

3 財務諸表と企業分析(予想配点:20点)
株式業務と重なる部分がありますので、ペアで学ぶと効率的です。

4 債券業務(予想配点:40点)
続いて、株式と同じくらい重要な証券である債券を学びましょう。配点がとても高いです。5択問題も複数出ます。前半の山場になります。


ここまでで100点分です。このあたりまでは計算問題が多い分野です。これ以降は覚える用語が多い分野になります。


5 投資信託及び投資法人に関する業務(予想配点:34点)
株式と債券の分野で身につけた基礎的な知識が理解を助けるはずです。テキストで傾向をつかみ、特に重要な用語から覚えましょう。

6 付随業務(予想配点:10点)
投資信託に似た、株式累積投資が出る分野です。勢いで一緒に覚えてしまいましょう。

7 経済・金融・財政の常識(予想配点:20点)
配点は低めですが、5択問題が出ることがあります。高校の政治経済くらいの難易度ですので、得点源にしやすいです。

8 株式会社法概論(予想配点:20点)
ここまで学んだ分野に関連する法律が問われます。この後法律の分野を学ぶウォーミングアップとして最適です。

9 金融商品取引法(予想配点:30点)
株式、債券、投資信託などを取引するルールを定めた法律です。


ここまでで214点分です。合格ラインである7割の対策が終わります。残りの3割は細かい規則などが中心になります。正直少し難しいです。ここまでの分野で得点を稼ぎましょう。


10 協会定款・諸規則(予想配点:40点)
後半の山場です。5択問題も複数出ますので、時間をとって丁寧に対策しましょう。金融機関で働くときに知っておくべきルールが問われます。合否を分ける分野になるかもしれません。

11 証券税制(予想配点:20点)
証券投資で利益を得ると、税を払わなければなりません。税の種類と算出方法が問われます。

12 残りの3分野(予想配点:3分野合計で26点)
高い点で合格したい人、苦手分野をカバーする得点源を探している人は取り組みましょう。大多数の人にとって、ここは「瞬間風速用」の分野になります。

* * *

試験直前は、本人確認書類、確認書、試験日・試験開始時刻、試験会場への道のりを必ず確認しましょう。その上で計算問題、債券業務、協会定款・諸規則、得点源にしたい分野の復習をしましょう。

この順序で対策すれば、1日1時間30分くらいの時間が取れる人は40日くらい、まとまった時間が取れる人は20日くらいで合格水準に達します。

ネットには「外務員は3日で受かる」「難易度ランキングの下位なので楽勝」という記事もありますが、もとから多くの知識があった人か、事実でないことを書いている人かだと思います。日々忙しく生活している人が確実に資格を取るには、ある程度の期間が必要です。

少しずつ、コツコツが合格への最短距離です。頑張りましょう!

* * *

資料:日本証券業協会, 外務員資格試験
http://www.jsda.or.jp/katsudou/open/shiken.html